アマリリス(あまりりす)
秀麗：	劉輝！御璽が盗まれたって、本当なの!?
劉輝：	余がちょっとだけ席を外していた間に、机の上からなくなっていたのだ。だが、扉も窓も閉めてあったし、表には警護の者もいた。怪しい者も見なかったそうだ。
蘇芳：	へー、これが王様の執務室かー。いかにも『泥棒が入りました』って感じに散らかってるけど。
秀麗：	タンタン、タラタラしない！藍将軍と絳攸様には？
劉輝：	えっ…も、もちろん知らせたぞ！きっと今頃、対策に奔走しているはずだ。秀麗も、これは極秘で頼む。
秀麗：	分かったわ。他になくなっていた物は？
劉輝：	ない…と思う。硯も花瓶もそのままだった。
秀麗：	つまり初めから御璽を狙っていた可能性が高いってことね。でも犯人は、どうやってここから持ち出したのかしら。
蘇芳：	持ち出してないのかもよ。
秀麗：	え？
蘇芳：	だって、入口も出口もなかったんだろ。
劉輝：	あ…そういえば、窓が開いていた。
秀麗：	ええ？でもさっき、閉まってたって。
劉輝：	閉めたけど、戻ってきたら開いていたのだ。それと、部屋の中なら余も探したぞ。なんなら余のことも調べるか？裸になってもよいぞ。
秀麗：	なんなくていいから！…って、タンタン、何してるの？
蘇芳：	いや…この辺かなーって…。
劉輝：	あっ、そこは…っ！
蘇芳：	あった。御璽ってひょっとして、これ？
秀麗＆劉輝：	あーっ！！
秀麗：	ちょっとタンタン！なんで分かったの!?
蘇芳：	コレの隠し場所？それとも、王様の嘘？
秀麗：	どっちもよ！
蘇芳：	隠し場所は、人間大事な物ほど身近なトコに隠すもんだから。桃色草紙もたいてい寝台裏とか――
秀麗：	桃色草紙はいいのよ！嘘って分かったのは？
蘇芳：	勘？…ていうか、そこの花瓶の花のせい？
秀麗：	アマリリス…？
蘇芳：	花言葉、『おしゃべり』っていうんだろ？そういや王様、やけにペラペラしゃべるなーと思ってさ。なんか嘘くさいっつーか。
秀麗：	タンタン、花言葉知ってたのね…。
蘇芳：	つっこむとこ、そっちかよ。こないだタケノコ家人に言われたの。『タンタン君にはアマリリスがぴったりですね』って。どーせ俺は一言多いよ。
劉輝：	あー思い出したぞ！御璽はそこにしまったんだった。すっかり忘れていたなーハッハッハ。
蘇芳：	や、もう謝っちゃえって。このお嬢さんに会いたかったんだろうけどさー、御璽はさすがになー。ただでも冗談通じないんだからさーこの人。
秀麗：	りゅ・う・き〜。
劉輝：	ご、ごめんなさいなのだ〜っ！
秀麗：	罰として、この部屋一人で片づける事！…終わったら、お茶くらいはつきあってあげるから。
劉輝：	秀麗…！
秀麗：	ちゃっちゃとやる！
劉輝：	はいなのだ〜！
蘇芳：	ふうん…。
秀麗：	な、何よ？
蘇芳：	いや…君のそうゆうトコ、嫌いじゃないなってさ。
名(?)探偵タンタン編？(苦笑) タンタン＠勝さんがゲストの回に合わせてみました。 2008.8.25脱稿