紫陽花(あじさい)
秀麗：	静蘭、劉輝の所へ行くなら、これを持っていってくれる？
静蘭：	紫陽花、ですか。
秀麗：	ご近所でたくさんいただいたの。だから、執務室にでも飾ってもらえればと思って。
静蘭：	かまいませんが…でも、いいんですか？
秀麗：	何が？
静蘭：	紫陽花の花言葉は『移り気、浮気、冷酷、自慢家、あなたは冷たい』ですから…。
秀麗：	…やっぱり、気にするかしら。
静蘭：	お嬢様からであれば、なおさらでしょう。
秀麗：	んー、でも、紫陽花って、劉輝にぴったりだと思うのよねぇ。
静蘭：	ああ、『ひたむきな愛情』というのもありましたね。
秀麗：	あるけど、それじゃなくて。…あら、覚えてないの？
静蘭：	何をですか？
秀麗：	何って、静蘭が昔、話してくれたんじゃない。
	（回想）
静蘭：	紫陽花は別名を『八仙花』というんですよ。
子秀麗：	はっせんか？彩八仙のお花？…でも、彩八仙は、８人よ？どのお花にいるの？
静蘭：	どの花…。
子秀麗：	ねえ、どのお花？
静蘭：	えーと…そう、仙人の術で、増えたんですよ。いっぱいいるんです。
子秀麗：	すごーい！じゃあ、おにわのあじさいは、みんな彩八仙なのね！
静蘭：	もしかしたら、彩八仙のご加護があるかもしれませんね。
	（回想・終わり）
静蘭：	…って、そんな話を、私が？
秀麗：	したわよ。もちろん今は、あれがおとぎ話だって分かってるわよ。でも、ほら、彩八仙は蒼玄王が彩雲国を造るのを助けたでしょう？劉輝は彩雲国の王様なんだし、だから劉輝にも…彩八仙のご加護がありますように、って。
静蘭：	お嬢様…。
秀麗：	あ、だからね、花言葉とか…『ひたむきな』…とか、関係ないから。そういうつもりは全っ然ないから！
静蘭：	はい。分かってます。この花、主上に確かにお渡ししますよ。
秀麗：	うん…お願いね、静蘭。
	（間）
劉輝：	…って、余は移り気でも冷酷でも自慢家でも冷たくもないぞ！浮気だって…いや…立場上仕方なく…仕方なくだ！し、したかもしれないけど！いや、絶対、誓って、一度だってしていないぞ！なのに紫陽花だなんて、ひどいではないか秀麗〜っ！
静蘭：	…やはりこうくるのか。
劉輝：	静蘭！秀麗は、秀麗はやはり余の事を…っ！
静蘭：	ええ、とても気にかけていらっしゃいましたよ。ご存じですか？紫陽花は別名を八仙花といって──
【紫陽花　豆知識】 紫陽花は漢名を『八仙花』といいます。 土のPH値によって色が変わるのは有名ですね。 2008.4.27脱稿 ご当人が演じてくださったミニドラマは、↓から 第４４回の１１分あたりからになります。