アマリリス(あまりりす)
劉輝：	ん？んん？
静蘭：	どうしたんですか、花に片耳つっこんで。
劉輝：	いや、この花の奥からな、何やら話し声が聞こえるのだ。
静蘭：	何を馬鹿な事を。
劉輝：	いやいや、これはアマリリスだからな、花言葉は『おしゃべり』だから、不思議はないぞ。ほら、静蘭も聴いてみるのだ。
静蘭：	はあ……では……。
劉輝：	『静蘭、いつもありがとう』
静蘭：	は？
劉輝：	ん、何か聞こえたか？いや、今のは余ではないぞ。アマリリスがしゃべったのだ。
静蘭：	プ……ククク……。
劉輝：	何がおかしい？
静蘭：	いえ…昔、お嬢様が同じような事をやっていらしたので、つい…。
	（回想）
子秀麗：	せーらん、だいすき！
静蘭：	は…？お、お嬢様？
子秀麗：	ちがうわ。あのね、このお花がしゃべったの。
静蘭：	花…？
子秀麗：	あまりりす、っていうのよ。
静蘭：	……また奥様に教わったんですか？
子秀麗：	うん！せーらん、お耳かして。
静蘭：	こうですか？
子秀麗：	んと……せーらん、だいすき。せーらん、だぁいすき！…聞こえた？
静蘭：	はい。…って、お嬢様、急にとびついてこられては…っ！
子秀麗：	ウフフフ、せーらん、だいすき！チュッ(頬にキス)
	（回想・終わり）
劉輝：	な…うらやましすぎるぞ、静蘭！余も秀麗にチュってされたいのだ！
秀麗：	ねえ、何を騒いでいるの？外まで聞こえてるわよ。
静蘭：	お嬢様。
劉輝：	…そうだ。秀麗。
秀麗：	なあに？
劉輝：	この花に耳を傾けるのだ。
秀麗：	アマリリス？…もう、あいかわらず子どもみたいなんだから。
劉輝：	よいではないか。ほら、早く。
秀麗：	しょうがないわね……こう？
劉輝：	隙あり！チュッ(頬にキス)
秀麗：	って、あんた、いきなり何するのよーっ！
劉輝：	アハハハ。
秀麗：	笑ってごまかすんじゃないわよ！
劉輝：	秀麗だって静蘭にしたのだろう？
秀麗：	はあ!?
静蘭：	子どもの頃の話ですよ。
秀麗：	だったら私じゃなくて静蘭にしなさいよ！
静蘭：	だそうですよ、主上。
劉輝：	…静蘭、笑顔で干將に手をかけるのはやめてくれないか。
秀麗：	もうっ、二人とも、馬鹿な事やってないで、仕事しなさーい！
桑島さんの子秀麗は絶品だと思います♪ 2008.3.23脱稿