石楠花(しゃくなげ)
秀麗：	劉輝、はい、これ。よかったら飾って。
劉輝：	石楠花か。きれいだな。花言葉は確か──
秀麗：	『威厳』？
劉輝：	ハハ…やはり王には威厳も必要か。
秀麗：	そうねえ…でも『威厳』っていうなら、静蘭の方が似合いそう。
劉輝：	静蘭!?なぜそこで静蘭なのだ!?
秀麗：	だって、例えばよ？──
	（間）
静蘭：	そなたは州牧だ。その責務はどうする。
秀麗：	ご心配なく。州牧としての責務は果たします。
静蘭：	平定の兆しを見せていた茶州をいたずらに混乱させる輩は見過ごせぬ。勅命をもって軍を派遣する！
秀麗：	お待ちください！州牧として、禁軍派遣はお断りします。
静蘭：	分かった。軍は出さぬ。行って為すべき事をせよ、茶州州牧、紅秀麗よ！
	（間）
秀麗：	ほら、かっこいい。
劉輝：	秀麗は、余が王では不満なのか!?
秀麗：	そ、そんなことないわよ。オホホホホ。
劉輝：	あ、今ちょっと思ったろう!?どうせ余なんて、役立たずのバカ殿なんだ。
秀麗：	そこまで言ってないでしょ！もう、王様のくせにうじうじするんじゃないわよ！
静蘭：	お嬢様の言うとおりですよ。
劉輝：	静蘭。
静蘭：	王はあなたですよ、主上。他人と比べるなど無意味です。そりゃあ私は、主上より頭も良いし剣の腕も立つし器用ですからなんだってできますが。
劉輝：	ううっ。
静蘭：	でも主上は、それ以上に素晴らしいものを持っていらっしゃいますよ。
劉輝：	えっ、それは何なのだ？
静蘭：	それは、ご自分で考えてください。
劉輝：	……なんか、ずるいのだ。
秀麗：	劉輝、考えるのもいいけれど、その花、水に入れてあげないと。
劉輝：	え？ああいかん、余の『威厳』がしおれてしまう！花瓶、花瓶…ないな、珠翠にもらってこよう。珠翠〜！
秀麗：	あ、行っちゃった…もう、ほんっと素直なんだから。
静蘭：	それが主上の良さでもありますから。
秀麗：	そうね。だから藍将軍や絳攸様達も見捨てないで支えてくれるんだわ。
静蘭：	素直さは人を伸ばし、味方を増やすものです。主上や、お嬢様のように。
秀麗：	私？どうかしら。でも、人の縁には恵まれていると思うわ。
静蘭：	私はどちらかというと苦手なので…そうですね、少しだけ、お二人をうらやましく思いますよ。
秀麗：	(からかうように)それって、くやしかったりする？
静蘭：	別に……。いいんです、私はお嬢様や主上を支えることができれば、それで。
秀麗：	あ、静蘭かわいい。
静蘭：	コホン(咳払い)
秀麗：	フフ…私も劉輝を支えられるようにもっと頑張るわ。
静蘭：	主上は良い王になられますよ。
秀麗：	そうね。でも、とりあえず──
劉輝：	(戻ってくる)秀麗…！花瓶を持ってきたぞ！
秀麗：	もうちょっと、石楠花を贈るべきかしらね。
ラジオで桑島さんが「静蘭も王様になればいいのに」と言っていらしたので、 劉輝と秀麗の名シーンに当てはめてみました。 でも考えてみると、公の場で秀麗と劉輝が対したシーンって、ほとんどないんですよね。 そしてツンデレ師匠から免許皆伝を許された(笑)、緑川さんの静蘭がツンデレちっくになってしまいました(^^;) 2008.3.29脱稿 こんな駄作(だって辛口評価…)を、ご当人方が演じてくださったミニドラマは、↓から ※第４２回の１２分くらいからになります。